訪問リハビリテーション・訪問看護のICT活用③

2022年8月15日

安定期

全てのスタッフが一様にICTを使いこなせるようになり、多くのメリットを実感できる時期です。

具体的には、
・コミュニケーションの円滑化
 情報の概要はICTで把握し、微妙なニュアンスなどの最終調整のみ対面や電話で行うようになる
・ヒューマンエラー軽減
・情報整理時間の大幅な短縮
・総体的な経費削減
などが実現できます。

その他、テレワークの実施が可能となることも大きなメリットです。
弊社は、2019年10月より準備を始め、2020年3月よりテレワークを実施しています。
テレワークは、業務フローの明確化とICTを活用することで医療現場でも実現可能であり、コロナ禍の業務遂行にも大変通行な手段です。

しかし、一つだけ注意が必要です。それはサーバーダウンという大きなデメリットがあることです。電子カルテの情報を蓄積するサーバーが何らかの原因でダウンしてしまった場合、その間は全ての業務が完全に停止してしまう恐れがあります。
そのリスクを回避するためには、電子カルテのソフトウェアとは全く別のサーバーを用意しておくことが重要です。自社内に低価で簡便なサーバーを置き、より重要な情報のみをバックアップしておくことで、ある程度は業務を維持することができます。弊社はスタッフおよびご利用者の連絡先と月次スケジュールを常にバックアップしています。

必要最低限の情報を複数の方法で管理し、複数の情報伝達手段を用意して優先順位をつけて業務フローを作成しておくことは、災害の備えにもなります。

(図1 ※社内サーバー)

 

6.リハビリテーション×テクノロジー

リハビリテーションの新しいかたちに挑戦し続けています。

私はOTとして経験を重ねる内に、ご利用者の動作の一場面を評価するだけで日常生活動作能力の大半を予測できるようになりました。この事象は経験を重ねた複数のOTで相応の正確性と再現性を認めました。

これは、脳中で臨床経験の何らかの情報が統計的に処理された結果であり、人工知能(Artificial Intelligence:AI)で実現できるのではないかと考え、研究開発をはじめました。

この研究は、睡眠時のバイタルデータからFIMを推定するもので、10年以上の経験を有するOT・PTとほど同等の精度に達しており、特許の取得や大企業との研究開発に発展しています。

この技術は予防医療全般(一次予防:健康増進・疾病予防、二次予防:病気の早期発見・早期予防、三次予防:再発予防、リハビリテーション)に活用できると考えています。

そして、私たち専門職がより専門的な関わりに注力できる可能性を秘めていると感じます。

 

7.終わりに

医療サービスは、公益性、個別性、安全性、継続性などが求められます。また、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大を受けて、公衆衛生の重要性を国民皆が再認識し、その手段を模索しています。

現況において、リハビリテーションの専門性とは何か、厳しく問われています。
接触する手段が当たり前であった時代と同様に、接触すること自体がリハビリテーションの本質と考えていては、これからの時代では活躍できないと感じます。

リハビリテーションは人々の生活を豊かにすることを目的に、様々な手段を活用できる概念です。よって、第5世代移動通信システム:5Gや第6世代移動通信システム:6Gの世界においても大きな可能性を秘めています。

手段に囚われることなくリハビリテーションの専門性を発揮するために、無機質なICTの先に、いつもご利用者の笑顔が見えるリハビリテーションの実現が必要だと考えています。。

これからも専門職が自信を持って専門業務に専念できるように、新しいリハビリテーションのかたちを共創し続けていきます。

 

『新しい自分 新しい世界 
リハビリテーションをプラスする』

株式会社リハビリプラス

 

『健康な未来をすべての人に
リハビリテーションにテクノロジーをプラスする』

Rehabilitation3.0株式会社


代表取締役 作業療法士 増田浩和

 

<関連記事はこちら>
〇訪問リハビリテーション・訪問看護のICT活用①
〇訪問リハビリテーション・訪問看護のICT活用②

〇睡眠から動作能力を推定するAIの特許を取得
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